W800

新型W800は所有感を満たせる万能バイクだ!

廃版から数年、ついに再販された2020年式のW800を購入しました。

まだ慣らし運転の状態ですが、1,500キロほどいろいろなところを走ってきましたので、自分なりにレビューをしていきたいと思います。

このW800というバイクは一言で表現すると下道を走っているだけで楽しくてしょうがないという面白いバイクです。

乗っているだけで穏やかな気持ちになれる稀有な乗り物なのではないかと思います。

女性や小柄な人の大型デビューに、体力の落ちてきたベテランライダーに。

公道を走る方であるならどんな方にでもオススメできるバイクであると確信しました。

見た目はとにかくかっこいい!その一言に尽きる

W800はW1から始まるダブルシリーズの最新モデルです。

クラシックな見た目をしており、いかにも「バイク」というデザインをしています。

このバイクに乗ってから、人に話しかけられまくる。

道の駅でも、コンビニでも、ガソリンスタンドでも。

高齢の方から「メグロ?」と聞かれます。

自分は9台以上のバイクに乗っていますが、キャンプ道具を積載しまくったツーリングセロー以外でこんなに話しかけられるのは初めてです。

バイクに乗らない人から見てもかっこいいバイクなんだなあと思ってしまいました。

足つきは数字より悪いため、不安ならローシートを

165cmでもローシートで片足べったり

W800のシート高は790mmと現代の大型バイクの中ではかなり低い部類です。

ただ、自分は身長が低いため、純正オプションのローシートを選択しました。

このシートはW800ストリートのものであり、純正比-20mm、つまりシート高は770mmへと下がります。

実際にその状態のバイクにまたがったのが上の写真です。

165cmでかなりの短足である自分でもライディングブーツを履けば片足べったりという状況です。

ただ、数値に比べて足つきは悪いように思われました。

その原因となるのが、サイドカバーの張り出しです。

自分が映り込んでますね…

これが、左右にぽっこり膨らんでいるため、足がまっすぐ下せないのです。

体感としては以前乗っていたMT-07(シート高805mm)よりちょっとマシな程度かと思います。

身長160cm前半以下の方でしたらローシートのオプションを入れてみた方が無難かと思いました。

もっとも、足はべったりで重心も低くトルクのあるエンジンですから、立ちごけするのではないかという不安感は今まで乗ったバイクの中でも低い印象を受けるので、ことさらに心配する必要もないかと思います。

重さの割に取り回しは楽

180㎝ある人間(先輩)が乗るとSR400みたいですね

W800の車重は200キロ越えと大型バイクらしい重量を持っていますが、車体自体はかなりコンパクトであるため、取り回しはそこまで大変ではありません。

教習車のNC750よりもよほど楽であるという印象を持ちました。

平坦面であれば女性ライダーでも十分に取り廻すことが可能でしょう。

LEDヘッドライトは夜道において不安は一切なし!

新型W800のヘッドライトはZ900RSと共通と思われるLEDのもの。

キーオンでポジション、エンジン始動でロービームが点灯します。

慣らしをする中で夜中に街灯が一切ない港湾道路を走ったのですが、ヘッドライトの明るさに驚きました。

ロービームでも十分明るいのですが、ハイビームにするとLEDが追加で輝き、スポットライトが追加されたかのように遠いところまで光が通ります。

全く街灯がなくても何ら怖くない。

今まで乗ったバイクの中で断トツヘッドライトが明るいです。

W800なら北海道の原野を夜中に走ってもヘッドライトの明るさに不満は覚えないでしょう。

正直なところ、新型W800が発売されたときにはLEDヘッドライトより、旧型のハロゲンのレンズカットの方がスタイリングとしてはかっこいいと思うと不満に思っていました。

しかしながら、圧倒的な実用性を目の当たりにして考えが変わってしまいました。

走行性能は公道において何ら問題なし

このW800、時速40キロから60キロが最高に気持ちのいいバイクです。

大型バイクで制限速度が楽しいなんて思いもよらなかったです。

2000回転で流す国道の気持ちよさ

このバイクは2000回転で流すのが気持ちいいです。

国道1号の片側2車線道路を流れに沿って走る。

2000回転をキープしながら早めにシフトアップする。

その際、低いエンジン音と弱い振動がリンクして走りながらエビス顔になってしまいます。

W800を先輩に貸して乗らせてみたのですが、全く同じ印象を持ったとのことです。

トルクフルなのに穏やかなエンジンです。

信号のゴーストップが全く嫌じゃないんです。楽しいんです。

穏やかな加速とトルクフルでエンスト知らずのエンジン。

アドレスV125のようにゴーストップが「得意」なバイクは数多くあるとは思います。

しかしながら、信号のゴーストップが「楽しい」バイクって稀有です。

それがW800なのです。

高速道路も意外に快適

ETCって緊張するよね

他県に足を運ぶためにさっそく高速道路を使ってみました。

すると、意外や意外、高速道路も結構いいんです。

80キロを超えると振動が出てきますが、すぐに慣れてしまう程度。

高速域の加速もジェントルではありますが、合流においても実用上全く問題なし。

エンジンを引っ張って5000回転を超えると、大型らしい安心感のある加速を見せてくれます。

また、フロント19インチの影響か、はたまた車重のおかげか、直進安定性もかなり高く、この点においては以前乗っていたMT-07よりも上等であると感じました。

しかしなら、W800ストリートの殿様スタイル(試乗してあまりにも立ちすぎていると思いW800にした経緯があります)ほどではありませんが、W800の乗車姿勢もかなり直立に近いものであるため、風圧はどうにもなりません。

旭風防のようなスクリーンがないと長距離高速巡行は大変だと思います。

W800で高速道路を走るのなら、90キロぐらいでのんびりと左車線を流すのが楽しいと思います。

ワインディングもセルフステアが上質、バイクの原点を感じる

リーンインすると曲がってくれる印象

W800のフロントは19インチですが、カーブに入る際に視線をカーブの出口に向けるだけで自然と車体が倒れていき、自然に曲がっていくのです。

自分がセローに長年乗っていたため、21インチホイールの鷹揚なハンドリングに慣れているせいなのか、現代のスポーツバイクの前輪17インチは少々切れ込みすぎて怖いところがあります。

19インチホイールがもたらすちょっとクラシックな曲がり方がたまらなく気持ちいです。

しかしながら、車体も柔らかいながら不安を感じさせることもなく、車体のコンパクトさと相まって教習車のCB400SFみたいな素直な感じを受けました。

燃費も航続距離も良好のツーリングマシーン

まだ慣らし中で長距離しか走っていませんが、燃費は28km/ℓをたたき出します。

かなり高燃費であります。しかもレギュラー。

また、タンクは旧型より1ℓ多い15リットルありますので、調子がよければワンタンクで400走ることも可能かもしれません。

ちょっとしたアドベンチャー並みの航続距離を誇り、ツーリングマシンとしても上等です。

荷物も載るのでキャンツーもいいぞ

防水サイドバッグ付けました

最近のバイクはお尻を切ってタンデムシートを小ぶりにしたデザインのものが多数派です。

それは見た目としてはかっこいいのですが、荷物を載せるのには不適です。

自分はツーリングセローやカブのような荷物が乗るバイクを所有しており、バイクに荷物を載せてキャンプツーリングに行くことが楽しいと思っています。

W800は昔ながらの一体型シートでリアに荷物を載せることが容易です。

また、純正オプションのリアキャリアや皮やキャンバス地のサイドバッグなど荷物を載せるアイテムには事足りません。

新型W800にサイドバッグサポートを取り付けるための方法2020年式の新型W800を手に入れました。 https://munenmusou.com/w800-2020-review ...

でも、一番言いたいのはW800に荷物満載してツーリングしたらかっこいいでしょ?ってことです。

なんとオフロードまで行けちゃう

慣らし中のツーリングに、あやまって林道へと突っ込んでしまいました。

先導してくれた友達のDR650SEに付いていくと、だんだん道が荒れ、最後は苔むした濡れたダートに。

しかしながら、フロント19インチとトルクのあるエンジンのおかげでなんとか通り抜けることができました。

北海道の締まったダートぐらいならどんどん突っ込めそうな頼もしい感じを受けました。

快適機能はツーリングに便利

クラシックバイクながら、グリップヒーターやETC、ABSが付いており、ツーリング性能に抜かりはありません。

グリップヒーターは冬の必需品

令和の時代、冬のツーリングにおいてグリップヒーターはもはや必需品といっても過言ではありません。

W800には純正でそのグリップヒーターが付いているのです。

後から取り付けると最低でも8000円ぐらいはかかりますし、配線も大変です。

キジマのグリップヒーターGH08をMT-07に取り付けてみた寒いですね! こんな時期にバイク乗ってるやつはバカですね! バカだからバイク乗ります! でも寒いですね!(永久ループ)...

それが純正で取り付けられているのは大きなメリットであると思います。

モードを最強にしてバイパスを走り続けていると、ウインターグローブ越しに温かい缶コーヒーを握っているようなじんわりとした暖かさが手のひらを覆います。

手がかじかんだりもしないので、クラッチ操作などの安全にも寄与する装備です。

ETCは今どき常識ですよね

先述の通り高速道路のツーリングも得意なW800には純正でETC2.0が取り付けられています。

マスツーリングをする際にETC非搭載車を料金所横で待ったり、料金の投入に時間がかかったりなど、ETCが付いていないと高速道路の走行って何かと不便です。

あって困る装備でもないですし、メーターにも作動表示がランプで分かるので純正装備なのはありがたいです。

センタースタンドはストリートやカフェにはないW800のメリット

W800にはストリートやカフェにはないセンタースタンドが取り付けられております。

チェーン注油や不整地での駐輪などなど、なにかと便利なサイドスタンドが純正装備されているのはありがたいですよね。

ちょっと残念な部分

サイドスタンドが出しにくい

サイドスタンドがバイクにまたがったまま出しにくいのが少々難点です。

旧型W800よりヒールガードが大型化された影響から、ガードがサイドスタンドを引き出す部分と重なり、ブーツのつま先でスタンドを出すことが少々難しいです。

もっとも、注意して出せばいいだけの話ですが、もうちょっとなんとかできなかったのかなと思います。

サイドスタンドの面が小さい

またまたサイドスタンドの話ですが、サイドスタンドの接地面が小さく、砂利の上で駐車したところ、地面にめりこんでしまいあわや倒れるかと思いました。

W800に対応したサイドスタンドエクステンションも発売されていないため、こちらについては接地面を大きくした社外品の発売を期待しています。

ウインカーが出しにくい

カワサキプラザの人曰く、W1のスイッチボックスを再現しているとかで、ハンドルのスイッチ回りはクラシカルです。

このため、人間工学的に現代のバイクから見ると時代遅れな部分があります。

ハザードのスイッチもそうですが、ウインカーのスイッチが大きく飛び出ているため、クラッチレバーをにぎりながら、操作することが少々困難です。

このような状態は今まで乗ったバイクにはありませんでした。

これはデザイン性を優先したためしょうがなく、慣れていくしかないと思います。

総評:これは大人の「上がりバイク」だ!

 

 

このバイクに乗ってすぐ思ったのは「バイク人生、W800で終わりでいいや」という感想です。

自分はまだ20代ではありますが、バイクとしてこんなに根源的な乗り物はないと思います。

エンジンの鼓動感、乗りやすさ、穏やかさ、なによりデザイン。

こういったものが、バイクに乗るという満足感を充足させてくれます。

特に飛ばしたい盛りの若いライダーではこのバイクに乗った場合、「パワーがなくてつまらない」という印象を持つかもしれません。

しかしながら、いつかはこのバイクの楽しさに気づくのではないかと思ってしまいます。

とにかく、気になっているなら試乗してみてください。

その際は、印鑑と住民票を忘れずに。

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