セロー250、6年間で50,000キロ走行してのレビュー
自分はセロー250を2台乗り継いできました。
売ってしまった2013年式と現在持っている2019年式の2台です。
学生の頃から数えて6年。距離にして50,000キロ以上を走行しました。
南は和歌山から北は青森の大間まで走ってくれ、サーキットの走行やトライアルコースでのセクション越え、高速・林道・獣道まで走ってくれている自分の相棒です。
そんなセロー250も生産終了が発表となってしまい残念に思っています。
中古も高騰しているので悩んでいる人は急いでお店に行ってみてください。
今回は長年乗っているセロー250について、レビューしていきたいと思います。
オレンジとグリーンのセロー250を2台乗り継いでいる(厳密には2台目はツーリングセロー)ので、写真が混同していますが、全部自分の写真です。
ちなみに、セロー250に乗っていた中で施したカスタムの一部について下のリンクでまとめておりますので、一緒にご覧いただければ幸いです。
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セロー250の良いところ
平均37キロ・最高47キロを叩き出す高燃費
セローの燃費は街乗りでも35キロを下回ることはありません。
自分は燃費のいいツーリングを心がけるタイプなのですが、平均燃費はリッター37キロです。
ひとたびツーリングに出かければカタログ燃費を軽く凌駕してしまうこともしばしばあります。
ちなみに過去最高の燃費記録はリッター47キロでした。
ボアアップしたリトルカブより燃費がいい始末です。
航続距離が300キロ以上とトレール車の中では長い
セロー250の場合、タンク容量は9リットルあります。
ちなみに、2013年モデルは9.6リットルでした。
2020年現在に販売されている国内メーカーのトレールモデルは、CRF250LとKLX230がありますが、どちらもタンク容量は約7リットルで、CRF250RARRYを除けばセロー250は大きなタンク容量を持っています。
セローの250㏄トレールとしては比較的大きいタンク容量に前述の低燃費と合わせれば航続距離は長い部類に入るといえます。
自分が無給油で一番長い距離を走ったのは富山市から静岡市まで走行した368キロを無給油でした。
航続距離が長いというのはガソリンスタンドの心配をしなくていいという大きなメリットがあります。
近年のガソリンスタンドの閉鎖が相次いでいます。
このため、特に見知らぬ土地でのツーリングはメーターとのにらめっこになることになりかねません。
長い航続距離は特に自分のように給油ランプが点灯するとドキドキしてツーリングどころではなくなってしまう小心者には心強かったです。
足つきが良く短足や女性でも苦労しない
セロー250のシート高は830mmである。
このシート高は、オフロードバイクとして抜群に低いものです。
もちろん、オンロードバイクと比較するとシートは高い部類に入りますが、実際にまたがってみると数値ほど高さは感じないでしょう。
下の写真を見てください。
私は身長166㎝の短足ですが、ご覧の通りブーツを履けば片足べったりです。
セローを始めとしたオフロードバイクのシートは幅が狭く、またサスペンションが沈み込むため、足つきは非常に良いといえます。。
ただ、両足だとべた足はちょっと厳しいものがありますが。
車重が軽いので、片足のつま先が付けば何ら問題なく乗れると思います。。
知人の150センチ台の女性でも難なく乗っていることからもそれは明らかでしょう。
ツーリングセローに変身できる
ヤマハが出しているツーリングセロー。
セロー250にツーリング向けのオプションを付けたお得なパッケージです。
アンダーガードやスクリーン、ナックルガードといったオプションが付いています。
自分は2013年モデルを購入した際は、単なるセロー250を手に入れました。
しかしながら、ロングツーリング用に部品を買いそろえていった結果、最終的にはかなりツーリングセローに近い状態となってしまいました。
そのため、2019年モデルについては結局ツーリングセローを購入してしまいました。
ツーリングセローには前述のように様々なオプションが付いています。
その中で一番気に入っているのが、アドベンチャーリアキャリアです。
耐荷重は10キロであり、まな板のように大きな荷台が装備されています。
自分は東北1周のキャンプツーリングに行ったが、このキャリアの大きさに助けられました。
アドベンチャーリアキャリアにニトリで購入した棚を括り付けて帰ったこともある。
また、先日行った福島ツーリングについても巨大なホムセン箱を付けて愛知から福島まで往復600キロを高速道路で走りました。
街乗りも林道でも助かる低速トルク
セローの低速トルクは素晴らしい。その一言です。
アイドリングでクラッチをゆっくりつなげれば勝手に走り出します。
ノッキングをしてもスロットルを開ければガクガク言いながら加速をしていく。
TS125に乗る知人と林道に行ったときに自分はセローを貸したことがあります。
彼曰く「林道をこんなに楽に進んでいいのか!」と憤慨していました。
後述しますが、この低速トルクは林道において非常に役に立ちます。
また、街乗りであってもこのトルクは有用です。
私はズボラなので、たまに信号待ちでギアを戻し忘れて4速で発信してしまうことがあります。
それでも普通に走り出してくれるようなバイクであるため、街乗りも気を使いません。
とにかく発進時の安心感が違います。
初心者からベテランまでオフロードを楽しめる
セロー250を買ったら1度は林道に行ってほしい。
足つきの良さ、軽さ、フレームの柔らかさ、そして低速トルク、これらが初心者を助けてくれます。
トコトコとオフロードを走ればそのうちに自然の美しさを感じることができるだろう。
自分のように下手くそな人間はよちよちと両足をついて難所をなんとか進んでいくのがせいぜいでしょう。
しかし、前述のとおり830mmという低いシート高と低速トルクは2足2輪でしっかりと進んでいくことができます。
WR250Rのようにオフロードを駆け上がれ!などとエンジンにせかされずに自分のペースでオフロードを走行することを可能にしてくれる、これがセロー250の美点です。
セロー250の気になるところ
ツーリング時のパワー不足は否めない
セロー250の馬力は18馬力(※現行は20馬力)と250ccの中でもトップクラスに低く、それはYZF-R25やWR250Rの半分の馬力にあたります。
そのせいで加速がもたつく印象にあるのは否めません。
セローのエンジンを回すような加速は公道において危険であるので下道では必要十分ではありますが、やはり退屈さは感じざるを得ないです。
高速道路はやはり辛い
セロー250は5速である。この時代に、であります。
80キロを超えるととエンジンは苦しそうになり、100キロを超えると悲鳴を叫びだす。
また、100キロを超えると前輪の加重が減り、非常に怖いです。
また、風をもろに受けるのでスクリーンがない限り高速道路を長距離走る気にはならないところがあります。
もっとも、80キロで淡々と走る分にはそれほど問題はないです。
オンロード車と比べるとどうしてもブレーキの弱さが気になる
かつてのオフロードバイクに比べればブレーキはかなり効く部類ではあるが、オンロードバイクに比べるとブレーキ性能は劣ります。
車重が軽いので止まらないことはないが、2人乗りをするとなるとかなり恐怖を感じました。
あまりオフロードバイクのブレーキを強化すると林道に持ち込んだ時にロックしたりするのでこのくらいがいい塩梅なのかもしれないが、サーキット走行時にはブレーキのせいでタイムが伸びず苦労しました。(用途が完全に誤っている)
サスペンションの安っぽさを感じる
セロー250のリアサスペンションは優れているとは言えません。
すぐに抜けが悪くなりスカスカになってしまう。
余裕があるならチューニングか社外サスに交換することを勧めます。
総評:新車で買えるのもあとわずか、買わないと損しますよ!
セローは初心者からベテランまで気負うことなく楽しめる良いバイクです。
上には書きませんでしたが、昨今の海外生産バイクに比べて細部の仕上げが上質であるように感じられます。
セロー250は製造中止が発表されてしまいました。
新車で買うことができるのはあと少しでしょう。
先代の225モデルが現在もなお中古の値段が落ちないように、現在のセロー250についても製造中止後に良い状態の個体を購入することは難しくなります。
今がチャンスです!
とにかく、迷っている人はぜひとも購入してほしいです。
セロー250は心からそう思える名機であるのは間違いありません。