【インプレ】TRX850はコーナーが気持ちよすぎるYZF-R7のご先祖様!

【インプレ】TRX850はコーナーが気持ちよすぎるYZF-R7のご先祖様!

こんにちは、ヤフオクでTRX850を落としてしまった杉浦かおる(@munenmusou_blog)です。

友人と酒を飲んでいて「お前TRX850似合うんじゃない?」と言われたため軽率に購入してしまいました。

自分は、これまで8年、10台以上のバイクに乗ってきましたが、TRX850は自分が乗った中で一番刺激的で楽しいバイクであると言えます。

正直に言って万人受けするバイクではないとは思いますが、それがまた乗りこなす達成感があって楽しいバイクであると言えます。

今回はそんなTRX850について自分なりにレビューしていければと思います。

なお自分は以前同じヤマハの270度パラツインであるMT-07にも乗っていました。

そんな生まれたときからインジェクションな20代ライダーとしての感想としてとらえていただけると幸いです。

また、SS乗りの友人に峠で乗ってもらい、そのフィードバックも受けて記事を書いています。

個人的には、YZF-R7の納車を待っている間に、ヤフオクでTRX850買って乗ったらいいんじゃないかと思います。(不人気バイクだから安いし)

2022年現在、ノーマル状態のTRX850を購入することは現実的には不可能です。
また、自分が購入したTRX850もいろいろとカスタムされていることから、細部はやはり異なってしまうと思います。
あくまでもTRX850というバイクの雰囲気を大枠でとらえていただけると幸いです。

見た目は90年代中盤発売のバイクと思えないほどもっさい(トラスフレーム除く)

ネイキッド化するとVTRみたいになるらしい

TRX850を語るうえで欠かせないのがトラスフレーム

見た目だけでなく適度なしなりを持ち、カーブでもガチガチにならないので楽しいです。

SS乗りの友人も「峠でフレームがしなるから乗りやすい」とのこと

しかしながら、このトラスフレーム以外は正直あんまりかっこよくはありません。

唯一レーシーなシングル風シートは、2スト250レプリカのようでイケてます。

一方、フロントカウルとライトの間に段差があったり、ブレーキランプは下のクラスのバイクから流用と、95年発売のバイクというよりは80年代後半のデザインという趣があります。

バブル崩壊をもろに受けたせいなのかはわかりませんが野暮ったい。

それでも見た目の愛嬌はあるので、個人的に好きなデザインです。

3000回転から6000回転ぐらいが楽しい

また、メーターがかっこいい。

スピードメーターとタコメーターと水温計のシンプルなアナログ三眼式です。

そのうえ、タコメーターが一番真ん中に配置されているのがレーシーで、乗っていて興奮させてくれます。

また、タコメーターだけ白抜きになっているのも珍しいのではないでしょうか?

意外と積載性が良い

TRX850の積載

そのデザインから二人乗りは厳しいですが、荷物の積載という点においては意外と実用性も高いです。

90年代から00年代のバイクのいいところである、シート下収納が広大なのです。

リアシートの下に大きなスペースがあり、鍵で開けると、純正工具にプラスして合羽とレイングローブに飲料などを入れても余裕のあるシート下のスペースがあります。

日帰りのツーリングならば、シートバッグも必要ないぐらいです。

また、荷掛けフックが多いのもポイント。

ネットを使えば平たんなリアシート部分に積載も可能です。

本気を出せばホムセン箱を載せてキャンプに行けるのではないかと思います。

足つきも良好かつ、軽量なので女性にもおすすめ

シート高も低め

自分は165センチという小柄な身長かつ、短足のうえに太ももが人の2倍近くもあるという、両津勘吉体系。

このため、乗ることができるバイクに物理的に限りがあります。

TRX850のシート高は795mmと、現在のバイクに比べるとかなり低めです。

そのうえ、並列2気筒がもたらす車幅の狭さが良好な足つきに貢献してくれます。

普段はワークマンの薄い靴底のブーツを履いていますが、それでも片足がべったりといった感じで、レース用にマスが中心化されていることもあって重心のバランスが良好です。

また、装備重量206キロと、大型の割には軽量な車重かつ車格が小さいことから取り回しも比較的容易です。

このことから、小柄な方や女性であってもとっつきやすいバイクではないかと思います。

ただ、後述しますがエンジン特性のため極低速が不安定であり、Uターンや発進時に関しては慎重を要します。

このため、バイク初心者の方が乗ると立ちごけしかねないことを留意すべきでしょう。

燃費もリッター20キロほどと比較的良好でツーリングもできる

パラツインであるということから容易に想像できるかと思いますが、TRX850は燃費が良いです。

バイクを受け取って高速をぶっ飛ばしながら静岡まで往復しましたが、低いギアで高回転まで回したにも関わらず、リッター21キロ

もちろん以前乗っていたMT-07には劣りましたが、キャブ車で5速にもかかわらず、この燃費は20世紀のバイクとして及第点ではないでしょうか。(レギュラーだしね)

さらにタンクは18リットルとかなり大きめであり、単純計算で20km/ℓ×18ℓ、つまり実燃費で360kmの航続距離がある計算になります。

実用的に見て300kmごとの給油で済むというのはツーリングにおいても大きなアドバンテージになりうると言えます。

最高速も200キロは軽く出るらしい

クローズドコースにもっていき、ちょっと回してみました。

すると簡単に180キロのメーターを振り切ってしまい、やはりレーシーなバイクであると確信。

馬力は80馬力そこそこなのですが、それを感じさせない加速感とハイスピードでも怖くない安心感が同居する良いバイクであると実感しました。

鈴鹿8耐でも使われたバイクですから、その点は折り紙付きです。

サーキットだと200キロ以上は出るらしいです。(怖いので出したことない)

様々なシチュエーションで走行しての感想

166センチが乗るとこんなサイズ感

TRX850を手に入れてから、1日で450キロ走るツーリングや、学生のころから走っていた峠を流すなど、800キロほど乗ってみました。

その中で感じたことをシチュエーションごとに分けて書いていければと思います。

低回転のトルクのなさが気になる

河津桜とTRX850

このバイク、2000回転未満が使えません

1500回転ぐらいまではだましだましですが、ロングなギア比と相まって、時速40キロぐらいまでは気を抜くことができません

発進を慎重に行わないとエンストしてしまいます。

クラッチミート時に125ccのMTバイクでもなかなかないぐらいストンと回転数が落ちるのです。(友人はフライホイールが軽いからではないかと推測していました)

このため、ストップアンドゴーの多い街乗りは大変です。

訂正:どうやらTPSというパーツが悪さをしていたようで調整したら1500回転でクラッチミートをしても普通に発進できるようになりました。
他のサイトでも低速トルクが不安定であるというレビューが多いですが、もしかしたらTPSの調整不足なのかもしれません。
ただ、MT-07やW800のような今まで乗った同排気量のバイクに比べるとギア比等の影響で発進時は気を遣う点は否めません。

クラッチも重い(21世紀のバイク比)ので、渋滞が続くと泣きそうになってしまいます

270度クランクというよりは180度クランクのような怖さがあります。

このため、Uターンも極力避けたいバイクです。

ハンドルは比較的高いものの、バックステップが結構きつい(CBR929RR乗りの友人曰く)ので、足を出したりするのが疲れるかもしれません。

もっとも短足の自分にとっては快適です。

高速道路はカウルとロングなギア比で快適

自分がカウル付きかつセパハンに乗るのが初めてということもありますが、高速道路は至極快適

エンジン音や排気音も小さめ(掃除機みたいな昔の二気筒の吸気音はしますが)なうえ、カウルも大きく、風の抵抗は受けづらいです。

また、カーブではよく曲がるバイクである一方、速度を上げるとびしっと安定します。

新東名の120キロ区間でも楽々走行できます。

また、ハーフカウルのいいところである横風に対する強さ(アンダーカウルがないため横風を受けにくい)のも良い点。

愛知から静岡まで200キロの高速を走っても、自分が以前乗っていた。旭風防付きのW800の3分の1程度の疲労感しかありません。

また、ギアが非常にロングであることも高速道路の楽さに影響します。

新東名の120キロ区間であっても、4速のまま走り続けて、ふと思い立ってギアを上げてみたら5速に入ったというようなロングさ。

今までもう1速欲しいと思ったバイクは数知れずですが、5速のバイクなのにギアがもう1速欲しいと思わなかったバイクは人生初です。

もっとも、5速は100キロ超えないと使えないような巡行用のギアであるともいえますが。

とにかく、高速道路の走行が楽なバイクであるのは間違いありません。

ただ、MT-07に比べると同クラスのパラツインとは思えないほど振動は多めです(味として許せる範囲ですが)

ワインディングが気持ちよすぎる

TRX850をワインディングに持ち込むとその本領を発揮します

楽しくて速いんです。

もちろん、令和の現在において峠をもっと速く走るバイクというものはたくさんあります。

しかしながら、曲がるのが楽しい・ワインディングが楽しい、という点において、TRX850を上回ることができるバイクはほとんどないのではないかと思います。

自分は峠がめっちゃ遅いのであまり参考にはならないかと思いますが、TRX850はとにかく速く楽しく峠を走れるんです。

TRXでワインディングを検証するために学生時代に走りこんでいた峠に持ち込み、後輩とともに走りました。

CBR929RRに乗った後輩に先導させ自分もコーナーに飛び込みました。

初めてのセパハン、初めてのツーリングで峠を走ったことから曲がれなくなってしまうのが怖く、もともと臆病なこともあって低速で走ったつもりです。

しかしながら、コーナーの途中でふとスピードメーターを見ると、学生時代にセローで同じコーナーを走った時に冷や汗をかきながら精一杯出していた時よりも速かった

全くスピードを出そうと思っていなかったにもかかわらずです。

このことは、エンジン音が回転数が上がってもあまり大きくならないこと、しっかりニーグリップすると曲がること、そしてバイクの安心感があることが要因なのではないかと思います。

また、後輩にTRX850を貸し、同じ峠を走ってもらいました。

セパハンやSSに慣れている後輩も「出しているつもりがないのにスピードが乗ってしまう」という意見でした。

また、「車体がスリムだから曲がりやすくて面白い」とのこと。

借り物のバイクなのに彼は自分でも気づかずタイヤのサイドまで使っており、リアタイヤを見て驚いていました。

本当に、コーナーを走っていて面白いんですね。TRX850というのは。

コーナーの気持ちよさを体験するためだけにヤフオクで30万円出す価値はあると言えます。

総評:YZF-R7を買うか迷うならまずはTRX850を購入してみませんか?

最近発売されたYZF-R7、ほとんどのスペックがTRX850と同一だそうです。

TRX850の発売時から四半世紀たち、ツインのロードスポーツに再びスポットライトが当たってきたのではないでしょうか。

やはり昔のバイクであることから、ブレーキのプアさ(ラジポンに換えてない場合)やエンジン特性に起因する低速の扱いづらさなど、TRX850は万人向けのバイクではないと思います。(そこがおもしろいんですが)

ただ、車体の小ささ、軽さからくるクイック感や、コーナーにおける楽しさにおいては他のバイクにはない面白さがあると思います。

とかく、昨今の高騰する中古バイク市場においてもいまもなお安く購入することができるTRX850、ぜひとも手に入れてみてはどうでしょうか?

また、YZF-R7を納車待ちしている方についても、いつ納車されるかわからない状態で待つぐらいであればそれまでのつなぎとして乗ってみても面白いかもしれません。

正直に言って、私が今までで乗ってきたバイクの中で断トツに面白いバイクです。

ぜひとも一度みなさんに乗ってみてほしいと思うバイクです。