新型セロー250は前のモデルと何が変わったのか?
2019年式のツーリングセローを購入しました。
以前は2013年式のセロー250を所有しており、45,000キロほど走行していましたが、だいぶヤレて来たことに加えて大型自動二輪免許をゲットしたことにより乗り換えてしまいました。
しかしながら、MT-07に乗っていても「やっぱりセローに乗りたい!」という気持ちが日増しに強まり、今回買い戻した次第です。
新型セロー250(DG31J)は、前のモデル(DG17J)が2017年に生産終了した翌年の2018年より販売されるようになりました。
見た目は数点変わった以外ほとんど変更はありませんが、中身は大きく変わっている印象を受けました。
今回は新型セロー250の変わった部分について書いていきたいと思います。
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新型セロー250の見た目はどう変わったのか?
キャニスターが導入された
新型セロー250には排ガス規制に対応したキャニスターが導入されています。
これは、気化したガソリンを集め、また液体に戻す装置だそうです。
以前にもセローの輸出モデルXT250には搭載されていたと思いますが、国内向けモデルでもついに装備されるようになってしまいました。
キャニスターの本体は、セローの側面、エンジン下にマウントされています。
この装置のため、燃料タンク容量は前のモデルの9.6ℓから9.3ℓと0.3ℓガソリン搭載量が減少しています。
自分としては、キャニスター装置の取り付け位置が少々不安です。
林道走行の際、枝や倒木を跳ね上げることは多くありますが、装置が取り付いている場所はそれらがヒットしやすいところにあります。
もし林道走行中に石が当たって装置が外れ走行不能になったり修理が必要になったりはしないのかなと少々心配してしまいます。
リアフェンダーの形状変更とLED化
前のモデルのセロー250までは、フェンダーが一枚の板で垂れ下がっている90年代ライクのものでした。
それが丸目のヘッドライトと合わさっていたずらに性能を追求しない姿勢やノスタルジックさにという、セロー250の美点へとつながっていましが、新型になってリアフェンダーの形状が変更されました。
新型のリアフェンダーは兄弟モデルのXT250Xのリア周りが移植されています。
もっともXT250Xのリア周りはそもそもスーパーテネレから移植されたものですのでヤマハのオフ車のお尻がお揃いになったと言ってもいいでしょう。
この仕様変更については国土交通省・警察庁が発したナンバープレートの表示に係る新基準が平成33年4月1日より全面適用となることに先立ったものと考えられます。
前の型のセロー250は跳ね上がったデザインのリアフェンダーであるため、上述の基準違反となってしまうため、その対策ではないかと考えます。
もっとも、前モデルのセロー250においてもリアフェンダーのデザインの陳腐化については結構な不満が出ていたのは事実で、XT250Xのリア周りを購入して取り替えることが流行しており、実際知り合いで交換した人も知っています。
デザイン的な要望も取り入れたものかもしれませんね。
自分としても、新型セロー250の方がブレーキランプの視認性も高いと思われるので、現行型のデザインの方が好みです。
フェンダーレスにもしやすいので今後のアフターマーケットに期待します。
ツーリングセローのパーツの色がいぶし銀に変わっている
これは雑誌含めセロー250のインプレ記事を見て回っていますが、自分が読んだ限りではだれも言及していない内容です。(ちょっと自慢)
2012年よりセロー250にリアキャリア・アドベンチャースクリーン・ハンドガード・アンダーガードを取り付けたお得なセットパックであるツーリングセローが発売されています。
これは、新型セロー250になっても引き続き発売されているのですが、アドベンチャーリアキャリアとアドベンチャースクリーンの色が微妙に変わっているんです!
自分は前モデルのセロー250に後付けでアドベンチャースクリーンとアドベンチャーリアキャリアを取り付けていたのですが、それらの色は当時薄い金色でした。
しかしながら、今のモデルではアドベンチャーリアキャリアとアドベンチャースクリーンがいぶし銀の塗装となっております。
さらにアドベンチャーリアキャリアの天板についても、前モデルではつるつるした艶のある黒色でしたが、今のモデルでは天板はざらざらとした梨地に変更されています。
だから何だと言われてしまえばその通りなのですが、自分の持っているオレンジ色のセローを発売する際に、金色だとちょっとおかしくない?という意見がヤマハの中で出たんじゃないかなーなんて予想しています。
新型セローの走りはどう変わったのか?
18馬力から20馬力に変わったのはすぐに感じられた
セロー250をバイク店から拝領して走り出し、すぐに気が付いたのは「パワー上がってるじゃん!」というところでした。
また、以前のモデルではそこそこの登り坂で5速55キロを下回った際、シフトダウンせずにスロットルを開くとバイクが苦しそうにガクガクと音をたてながら加速していくことがありました。
しかし、現行のセローではそういったことがありません。
さらに、高速道路の走行時には軽々(前モデル比)とメーター読み100キロに到達し、非常に驚きました。
2馬力の向上といえど、18馬力から20馬力となったわけですから前モデルより111%出力が向上しているわけで、自分のような人間でも容易にパワーの向上を体感することができます。
このパワー向上により、自分が前のセローに乗っていた時の「もうちょっとパワーほしいなあ」という不満はほぼほぼ解消してしまった印象です。
パワーアップによるツーリング時の恩恵は間違いなく享受できるかと思います。
まあ、絶対的には遅いんですけどね。
エンジン音は静かになったが排気音は野太くなった
次に乗ってみて気付いたのはエンジン音が低減されている点です。
前のセローにはアンダーガードを取り付けておらず、現行モデルには純正のアンダーガードが取り付けられているにも関わらずです。
普通メカノイズを反響させて耳に感じる音を増加させるはずなんです。
しかしながら、前のセローより確実にエンジン音はおとなしくなっています。
エンジン音についても前のセローのいかにも単気筒らしいドコドコした音から、パラツインのようなシュルシュルした音に変わっています。
エンジン音なんて主観的なものであるのは百も承知ですが、ここまで変わるんだなと感じました。
また、排気音については前モデルの軽快で比較的高い音から凄みのある低い音に変わったような気がします。
もっとも、ノーマルマフラーですし、音を求めるバイクではありませんので無視できる要素ではありますが。
低いギアでのギクシャク感も減少
全体的にマイルドというか熟成が進んだ乗り心地ではありますが、低いギアでのギクシャク感も減っていると感じます。
2速や3速からスロットルを開閉した際のギクシャク感はかなり減っています。
もしかしたら、チェーン調整が上手になされているせいかもしれませんが、身体が前後に振られる感覚は弱まっています。
これは功罪あるかもしれませんね。
市街地走行時にはストップゴーでのストレスを減少してくれるかとは思います。
一方で林道やオフロードコースなどでは、アクセルのオンオフによって前輪の荷重を調整する場面があります。
自分ですと、林道でギャップがある場合、アクセルを大きめに開けて前輪を浮かせたりしながら通過することがよくありましたが、ギクシャク感が弱まったことによりこの点の操作に影響が出るかもしれませんね。
正直、乗り比べてないとわからないぐらいの差異ではあるとは思いますが。
総評:新型セロー250は改良されており買い
総じて、新型セロー250の方が乗りやすいという印象を受けました。
特に2馬力増えていることによるバイパスや高速道路での性能向上は目を見張るものがありました。
もし、同じ値段で新品の旧モデルと新モデルが置いてあった場合、自分は迷わず新型のセロー250を購入すると思います。
車重3キロ増えた、タンク容量が300ml減った、キャニスターが取り付けられたというマイナス点を踏まえても、新型セロー250の方が個人的には気に入っています。
繰り返しになりますが2馬力の差は大きいです。
新古車の旧モデルを買うなら新車を買うべきだと思います。
また、個人的に中古車を買う友人・後輩に「新車で変えるバイクは新車で買え」とよくアドバイスしていましたが、セロー250についてもこのアドバイスは通用しそうです。
新型セロー250はいいぞ。
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