キャンプに七輪を持っていくべき!私が七輪キャンプをすすめる理由
こんにちは、先日富士五湖の西湖でキャンプをしてきた杉浦かおるです。今回は、普段のバイクではなく、マークXでキャンプに行ったのですが、その際思い立って家にあった七輪を持っていきました。
都市ガスが来る60年ぐらい前まで実家での煮炊きに使われていただけあり、七輪の使いやすさ、コスパは焚き火の比ではありません。
炭を使い調理をするという調理器具の中では七輪は最も完成されたアイテムといっても過言ではありません。
そのうえ、炭火で焼いた肉というのはもう最高の美味しさであり、そのへんで買ったスーパーの肉であっても焼肉屋に引けを取らない味になりました。
今回は、七輪をキャンプに持っていくべき理由について書いた記事になります。
正直なところ、オートキャンプ等で持ち運びができるのであれば、焚き火台より七輪を持ってきたほうがいいと強く感じました。
七輪のいいところ
上にも書きましたとおり、七輪は木炭燃料を使う調理器具としては(水かけると割れてしまう以外)最も完成された製品だと言っていいでしょう。
これからキャンプに焚き火台より七輪を持っていくべき理由を列挙していきます。
もっとも、焚き火も七輪もどちらも良い点はあるので、積載が可能ならどちらも持っていくといいかと思います。
ただ、もしどちらか一方しか持っていけないのであるならば私は実用的な七輪を持ってキャンプに行くと思います。
臭いがほとんどしない
七輪が焚き火に比べて優れているところとして、燃焼中、燃焼後の臭いがほとんどしないことが挙げられます。
焚き火をすると、木の成分であるクレオソートなどによって焚き火特有の臭いが服やテントなどに着いてしまいます。
これは、キャンプツーリングなどではまだ許せますが、バンやSUVに乗って帰るとなると、車内に焚き火の臭いが着いてしまいますし、家に帰ってもキャンプギアや服の洗濯をしないと家に焚き火の臭いがこびりついてしまうこともあります。
しかしながら、七輪は臭いがほとんどしません。
備長炭やオガ炭などのしっかりした炭を使うことができれば、それらは完全に炭化されていることからニオイ成分であるクレオソートなどがほとんど含まれていないため臭いがしないのです。
今回のキャンプではオガ炭を使用しましたが、本当ににおいがせず、一緒に行った友人も驚くほど。
また、七輪をマークXの後部座席に置いて帰ったのですが、道中車に乗せて帰っても全く臭いがしなかったため、焚き火との違いにおどろきました。
暑くならないので夏キャンプにも最適
七輪は、暑くない。
一見矛盾しているようですが、実際そうなのです。
七輪の仕組みとしては、下の通風孔から入った空気を上に逃し炭の燃料における酸素供給源とするものです。
このため、熱は七輪上方に拡散します。
また、炭自体は炎をあげるものではないため、焚き火のように周りに熱を発するものではありません。
このため、キャンプでは七輪を囲って椅子を並べ焼き肉をしましたが、全く七輪からの熱はなく暑くなりませんでした。
七輪の周り50センチに近寄らなければ熱は感じません。
逆に言えば冬キャンプでは七輪を火鉢のように手をかざして使えば暖かく使えるとも言えます。
また、オガ炭や備長炭などを使えば火の粉が飛ぶこともまずないため、タープの下で煮炊きをしても火の粉でタープに穴が空いてしまうリスクも低いでしょう。
着火が楽
また、七輪の着火は比較的簡単です。
オガ炭や備長炭は一般的に売られている木炭(マングローブ炭)に比べると火の付きが悪いと言われていますが、着火用炭と併用すれば簡単に火が点きました。
念のため、バーナーも持っていくとより万全かと思います。
着火用炭に火が点いたらオガ炭を入れて30分ぐらい待つと全体に火が行き渡り、調理が可能になってきます。
時間はかかりますが、焚き火のように薪をこまめに動かしたりする必要はないため、一度着火用炭に火をつければ、炭全体に炎が行き渡る間に下ごしらえなどをすればいいかと思います。
燃料が少なくて済むので経済的
キャンプで焚き火をする際、皆さんはどのくらい薪を使われるでしょうか?
ソロか複数か、どれくらいの間火をつけるかにもよりますが、自分が数人でキャンプをする際は薪を二束ぐらい利用することが多いです。
キャンプ場で購入したり、自宅から持っていったりするにしても、薪代はそこそこの量と値段になるかと思います。
一方で、七輪を使う場合、上述のオガ炭の場合だと一回のキャンプでの炭の使用量は500㌘程度でした。
オガ炭は10キロ2,000円ぐらいが相場なので、1回あたりの燃料代は100円ということになります。
しかもそれで調理中は薄切り肉がすぐに焼けてしまうほどの火力を持ちながらも5時から調理を初めて寝るまでの12時ぐらいまでの7時間ずっと火が点いている持続力を持っています。
キャンプに何度も行く方であればコスパとしても良いのではないかと思います。
また、七輪自体も後述におすすめの七輪をあげますが、高級品でも七輪は5,000円ほどで購入できますので、有名メーカーの焚き火台を購入するよりもコスパはいいかもしれません。
片付けが楽
最後に、片付けが楽であることも挙げられます。
結局炭であるため、朝になれば燃え尽きて消えてしまいます。
そして、炭自体もきれいに灰となってしまうため、キャンプ場ならば炭捨場、それがなければ冷えたのを確認してビニール袋か、七輪ごと持って帰ってしまえばいいのです。
焚き火台のように洗ったり燃え残りに困ったりすることはないです。
それらの心配はよほど肉の脂で燃え上がったりしていなければ考えなくていいでしょう。
おすすめ七輪はキンカ製品だ!
おすすめの七輪はキンカ製品です。
地元愛知県の企業であるということもありますが、幼少期から七輪を使い続けてきた祖母によれば、「高い七輪は火持ちが良くてよく焼ける」とのことであります。
キンカのような三河や、同じく七輪の名産地である能登半島の高級七輪は珪藻土を切り出して整形して売っています。
一方で、1,000円台で購入できる七輪は中国などで珪藻土などを練り込んでつくる七輪となっておりこの2つには製品として大きな差があります。
要するにバイクで言うところの削り出しホイールと鋳造ホイールの違いといったらわかりやすいでしょうか。
高い七輪(といっても5,000円台ですが)のほうが長く使えるという点で優れていると言えるでしょう。
私が使用しているのは七輪の中でも最もオーソドックスと言えるキンカの木炭七輪です。
網を載せれば肉を焼けますし、五徳や、鉄柱を置けば鍋で煮炊きや熱燗も作ることができるでしょう。(余談ですが私は幼少期に祖父がこの七輪を使って焼き芋をよく作ってくれたことを覚えています)
七輪を使う上での注意点
このように七輪は非常に便利な商品でありますが、珪藻土でできている製品であるため、その取り扱いには注意が必要です。
七輪に水をかけない
七輪は珪藻土からできています。このため、水に濡れると土がもろくなり、最悪の場合割れてしまうことがあります。
このため、七輪に水を掛けることは絶対にやめてください。
また、降水や朝露が予想される場合はタープの下で使用したほうが無難でしょう。
七輪を落とさない
あくまでも七輪は土でできているため落とすと割れます。
ほとんどの七輪は持ち手が付いているので大丈夫ですが、金属製の焚き火台とは異なるものであるという前提での取り扱いに注意が必要です。
マングローブ炭(バーベキュー用の炭)はやめたほうがいい
さきほどから再三申し上げているように、七輪キャンプにおいてはオガ炭か備長炭を利用するのがいいかと思います。
ホームセンターなどでバーベキュー用などと称して安価に売られている木炭(マングローブ炭)はやめましょう。
理由としては
匂いが強く日持ちが良くないため七輪のメリットを殺してしまうからです。
再度申し上げますが、ちょっと高くてもオガ炭や備長炭を選びましょう。
オガ炭や備長炭はネットでも買えますが、ホームセンターならばマングローブ炭の横に一文高いそれらの炭が置いてあるはずです。
総評:煮炊きするなら焚き火よりも七輪で
夜のキャンプ上で輝く焚き火は非常に綺麗であり、それを楽しみにキャンプをする人も多いというのは間違いありません。
焚き火はきれいですが、それを使って調理をするのは調理器具も必要となるので少々ハードであると言えます。
その点、七輪については、七輪本体と網、五徳があれば家庭用のフライパンなどを持ち込むだけで煮炊きができます。
焚き火に比べても火力調整が楽(通風孔を開閉したり炭の位置を調整するだけ)であるため、調理においても失敗が少ないかと思います。
このため、個人的には焚き火を「見る」「暖房にする」という使い方をし、七輪は「煮炊きに使う」という使い分けをしてキャンプをするのが賢いと思います。
そして朝はガスバーナーで朝食やコーヒーを飲むというそれぞれの強みを生かした使い分けをするのがベストであると考えます。
七輪自体は大規模災害時においてライフラインが遮断された場合でも活用できるという観点から防災グッズとしても有用です。
個人的にはキンカの良い七輪を使うのがオススメですが、安い七輪なら1000円台で購入できますし、キャンプ用のおしゃれな七輪(金属製も含め)売られているので、キャンプグッズを増やすという点から物は試しに買ってみてはどうかと思います。