こんな「ヤエー」はやめてくれ
ここ10年ほど、バイク乗り同士がすれ違いざまに挨拶を交わすいわゆる「ヤエー」というものが流行っています。
自分もかつて大学のバイクサークルに所属しており、マスツーリングの際にはよくヤエーをしていました。
最近はソロツーが多いので相手からされたら答える程度で自分からは行わない状況です。
ただ、最近のヤエーについてどう対応したらいいかや、「危ないな」と思うシーンが数多く見られます。
今回は、バイク歴約10年、総走行距離約10万キロ、47都道府県走破済みのツーリングライダーから見て、こんなヤエーは辞めてほしいという内容についてまとめた記事になります。
なお、この記事においてはヤエーの合法性について争わないものとします。
ブラインドカーブでヤエーするのは辞めてね
学生時代、よく「道志みち」に行くことがありました。
関東にお住いのライダーならご存じだと思いますが、道志みちはヤエーのメッカ。
ライダーの7割ぐらいがヤエーしてくる印象です。
しかしながら、ヤエーをするのはいいが、相手が返せる状況を考えたうえでヤエーをしてほしい。
道志みちはブラインドカーブが多く、交通量も相まって交通事故の数も多い道です。
そのブラインドカーブに差し掛かる際にヤエーされるのは困ります。
ヤエーする方はカーブを抜けたからと思ってヤエーをしてきますが、された方はこれからカーブに差し掛かるシチュエーション。
相手に危険を与える行為にもつながりかねないのでカーブ前後でのヤエーは控えた方がいいと思います。
黒づくめでヤエーされても気付かないよ
ツーリング中、ウェア・グローブ・ヘルメット・シールドまで真っ黒なライダーからヤエーされることがあります。
すれ違う直前に気付くこともしばしばで、見逃しているヤエーもたくさんあると思います。
特に軽く手を挙げるヤエー(金正日の挨拶みたいなポーズです)をされた場合、手を挙げたとしてもウエアと手の色が同化してしまいます。
ヤエーをするのであれば、相手が応えやすいように手袋の色を変えるなど相手にとって視認しやすいよう工夫すべきでしょう。
やるなら大胆にしてくれた方がうれしい
先ほどの金正日の返礼のようなヤエー、インカムを弄っているのかシールドを開閉しているのか分かりにくい。
どうせなら手をぶんぶん振ってくれるヤエーの方がこちらとしても安心して返せます。
安全とのトレードオフですが、ヤエーのポーズについても研究してみる価値はありそうです。
立ち上がってヤエーしてきた人にはビビった
ヤエーをする距離を考えるべし
すれ違う10メートル手前ぐらいでヤエーをしてくる人がいます。
返礼しようと手をハンドルから離した瞬間に彼は遥か後方に離れてしまいます。
返されることを期待していないのであればいいですが、もやもやします。
適切なヤエーのポーズ開始距離はバイクの相対速度と比例するでしょう。
次回ヤエーをされる場合その点を考慮してヤエーの開始タイミングを図ってみてください。
総評:相手と自分の安全を考えてヤエーしよう
ヤエーはバイク乗りの間における単なるサインです。
しかしながら、ヤエーしてきた相手に注意を強制的に向けさせる、左手をハンドルから離して返礼を事実上強要させるという点において、ヤエーは相手の交通における注意力を多少なりとも削ぐ行為にあたると言えます。
したがってヤエーを行った結果、相手が事故を起こす可能性も0ではありません。
もっとも、自分から言わせればヤエーを返す返さないは相手ライダー側の自由意志であって、万一裁判になったとしても相当因果を立証するのは困難でしょうが。
ヤエーを行うにあたり自分の安全が確保されているのも当然ですが、相手の安全も考慮したうえで、行うべきなのは言うまでもありません。
楽しいツーリングにおいて、すれ違う人間とのささやかな交流たるヤエーが事故を惹起しては元も子もありません。
少し考えてみてヤエーをしてみてはいかがでしょうか。