サビサビになったW650のフェンダー裏側をシャシーコートブラックで塗装するための手順・道具について
この記事はカワサキのバイクW650のフェンダー裏側が完全にサビびきっていたので、KUREの下回り塗装「シャシーコートブラック」で塗装してみたという記事になります。
フェンダーの取り外し方法も併せて記述しますのでご覧いただければ幸いです。
こんにちは、杉浦かおる(@munenmusou_blog)です。
99年式、8万キロ超えのカワサキW650のレストア作業をどんどん進めています。
今回のレストアのコンセプトは
- 「最小限」
- 「できるだけノーマルスタイル」
というもの。
もともとバイク初心者の弟に譲るつもりなので粛々と仕事をしていく次第です。
前回は車体各部の磨き作業を行いました。
その際フェンダーの裏側を見ると完全な真っ茶色。
サビびているかどうかを調べるためにフェンダーを外してみたところ悲惨な状態でした。
今回はサビチェンジャーとシャシーコートブラックで塗装してみます。
バイクの下回りにシャシーコートブラックを塗った人はネットを見る限りほとんど見当たりませんので人柱を兼ねてやってみました。
ブログネタになりやすい体当たり作業大好き
必要なもの
今回サビびきったフェンダー裏の塗装において使ったものは以下の通りです。
- サビ取りアフロ君
- 真鍮ブラシ
- サビチェンジャー
- シャシーコートブラック
- 養生テープ
- マスキングテープ
この中で特筆すべきものは「サビ取りアフロ君」と「シャシーコートブラック」でしょう。
「サビ取りアフロ君」について
前者の「サビ取りアフロ君」は電動ドリルなどに取り付けて磨く金属ブラシヘッドです。
一般的な金属磨きを考えて400番代のものを選択しました。
ただ、完全にサビびきっており凹凸がみられるレベルの今回のフェンダー裏清掃においてはもう少し粗い番手のものを使用すればよかったと思います。
ちなみにこれは一般的な耐水ペーパーでも代用できます。(磨くのが面倒だったので電動工具に頼った)
「シャシーコートブラック」について
「シャシーコートブラック」は5-56で有名なKUREが販売する下回り用塗料。
一般的には自動車に使い、特に積雪地帯で融雪剤によって自動車の底面がサビびないようにタイヤハウジングなどに吹きかけられるアイテムです。
一部のブログではバイクの塗装に使っている方も見受けられますが、今回はフェンダー裏の塗装というシャシーコートブラック本来の下回り塗装に使用します。
シャシーコートブラックはAmazonや実売でも400円程度とかなり安いのでオススメです。
ちなみにシャシーコートクリアというクリア塗装もあります。
バイクの底面をコートするならシャシーコートクリアのほうがおすすめできます。
ブラックを選んだのは
「ブログネタになりそうで面白そうだから」
「サビがひどすぎてみっともないから覆い隠したかった」
という2点です
フェンダーの取り外し
フロントフェンダーの取り外し
まずはフロントフェンダーの取り外しです。
フロントフォークの裏側にある四本のボルトを外します。
12mmのメガネレンチを使用する必要があります。
このバイクの場合、結構なトルクで締まっていたのでロングメガネレンチを使いました。
リアフェンダーの取り外し
次にリアフェンダーの取り外しです。
結構手間が掛かります。
リアブレーキ周りの脱着
まずはブレーキまわりの部品の脱着です。
いわゆるテールランプブラケットを外していきます。
フェンダー裏側に2つ、トップ部分に1つのボルトを緩めます。
この際、供回り防止用に10ミリのメガネレンチと、同じく10ミリのソケットレンチが必要です。
フェンダー周りは奥まった部品が多いためソケットレンチを使用すると楽でしょう。
最後にブレーキ・ウインカーのカプラーを取り外せばブラケットの取り外しは完了です。
ちなみに、ブレーキランプのカプラーは赤・青・黒の三色で本体側とランプ側が対応するようになっています。
おそらく赤がブレーキ・青がポジション・黒がアースに相当するものと思われます。
フェンダー各部のボルトの取り外し
次にフェンダーと本体を留めるボルトを外します。
はじめにシートを外し、シート下の後端トレイを留める2本のナットを緩めます。
10ミリでトルクはかかっていないためすぐ外せるでしょう。
次にフェンダーとフレームを留める4本のボルトを外していきます。
ここも10ミリ、ラチェットレンチだと早いです。
最後にフェンダー裏側を留めるボルトを外していきますが、ここが難しい!
リアタイヤを外さずに行うのであるならば、ソケットレンチの自在アタッチメントのエクステンションが必須です。
自分が昔から使っているソケットレンチセットがなければ詰んでいるところでした。
自在アタッチメントを人生で初めて使った…
カプラーの取り外し
こうすることによってフェンダーがフレームから分離します。
ただ、ブレーキランプやウインカーの配線を取り外す必要があります。
カプラーを外し、フレームの隙間に押し込めばOKです。
後で気付きましたが、シート取り外し用のワイヤーを一旦取り除くと隙間が生まれるのでより取り外しやすくなるでしょう。
フェンダー裏の塗装
電動工具を使ってサビ取り
まずフェンダー裏のサビ取りです。
今回発覚したのは「メッキにサビが浮いている」という状態ではなく「下地の鉄が侵されている」という状態でした。
このため、まずは凹凸になりサビきっている表面を削り下地処理をしていきます。
今回は電動ドリルに先述の「サビ取りアフロ君」を使用しました。
15分ぐらい掛けて水を垂らしたフェンダーをのんびりサビ取り。
茶色い液体が大量に出たので一応の効果はあったと思います。
ただ、400番手ではなく粗い番手や真鍮ブラシを用いたほうが効率的だったかもしれません。
「サビチェンジャー」によりサビ転換
次にサビチェンジャーを塗布して赤錆を黒錆にしていきます。
今回使ったのはSOFT99の「赤サビ転換防錆剤」です。
これを筆でひたすら塗っていきます。
匂いもほとんどなく、ヤクルトみたいな液体です。
フロントとリア、2つのフェンダーに塗布しましたが容量としては20ミリリットルも使っていないでしょう。
念のため1番置いたところある程度黒くなりました。
写真では分かりづらいですが肉眼だと茶色からかなり黒い焦げ茶色といったところでしょうか。
フェンダーの養生
最後に塗装が表面に掛からないように養生テープとマスキングテープを使って養生していきます。
マスキングテープ一つあればいいでしょう。
塗料が吹き出さないようにネジ穴部分もマスキングするのを忘れないようにしてください。
シャシーコートブラックの塗布
最後にシャシーコートブラックを塗布していきます。
今回はガッツリ厚塗りしました。
フェンダーの凹凸部分にサビが出やすいのでその場所を重点的に塗布してください。
冬に作業したので一晩置いといても乾燥せず、24時間放置しました。
ちなみにはみ出た塗装はパークリ掛けて拭けば落ちます
まとめ:完全に錆びてしまったフェンダーならやる価値あるかも
一般的にシャシーコートブラックは下回り用塗装でバイクに使用する人は少ないと思います。
また、ブラックはミスったときの対応が面倒なのでなおさら。
しかしながらサビきってしまった鉄製フェンダーを補修する際は強力な被膜を作るという点でも一考に値するのではないでしょうか。
シルバー塗装するのも手ですが、下回り専用塗装かつ、値段も格安なので金をかけずに修理・塗装するなら一つの手段と考えてもいいかもしれません。